| ポイント | 不動産会社 | FC本部 | 自分自身 | 専門家 |
|---|---|---|---|---|
| 物件・設備の条件 | ◎ | △ | ○ | △ |
| 立地・商圏・競合 | ○ | ○ | ◎ | △ |
| 売上前提・収益モデル | △ | ◎ | ◎ | △ |
| 契約条件 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
| 工事・看板・許認可 | ○ | △ | △ | ◎ |
| 開業後の支援・運営 | △ | ◎ | ◎ | △ |
物件・設備の条件
主に聞く不動産会社
あわせて確認自分自身
ケースによるFC本部・専門家
立地・商圏・競合
主に確認自分自身
あわせて確認不動産会社・FC本部
ケースによる専門家
売上前提・収益モデル
主に聞くFC本部・自分自身
ケースによる不動産会社・専門家
契約条件
主に聞く不動産会社・FC本部・専門家
あわせて確認自分自身
工事・看板・許認可
主に確認専門家
あわせて確認不動産会社
ケースによるFC本部・自分自身
開業後の支援・運営
主に聞くFC本部・自分自身
ケースによる不動産会社・専門家
同じポイントでも、聞く相手によって得られる情報が違います。1つの相手にすべてを聞こうとしないことが、確認漏れを減らすコツです。
質問する前に整理しておくこと
質問の質は、準備で決まります。聞く前に、次の点を手元にまとめておくと、相手の回答も具体的になります。
- 業態、出店の目的、想定する客層
- 候補地の住所と物件資料(賃料・面積・階数・駐車場)
- 候補地は1つか、複数比較の段階か
- FC加盟か、自主出店か
- 回答や契約の期限、内見・面談の予定日
この整理は、第三者に候補地の確認を依頼する場合にも、そのまま依頼時の情報として使えます。
不動産会社へ聞く質問
物件と契約条件まわりは、不動産会社が最初の確認先です。
| ポイント | 質問例 | なぜ聞くか |
|---|---|---|
| 賃料・費用 | 賃料のほかに、管理費・敷金・保証金・更新料はいくらですか | 初期費用とランニングの全体像を掴むため |
| 引き渡し | どんな状態で引き渡されますか。設備は何が残りますか | 工事範囲と費用が大きく変わるため |
| 原状回復 | 退去時の原状回復の範囲はどこまでですか | 出口コストを先に知るため |
| 前テナント | 前のテナントの業態と、退去の理由を教えてもらえますか | 立地・設備のヒントになるため |
| 看板 | 看板はどこに、どんなサイズで出せますか | 視認性に直結するため |
| 駐車場 | 駐車場は専用ですか共用ですか。台数と利用条件は | 来店のしやすさに影響するため |
| 営業条件 | 営業時間・業種・においや音の制限はありますか | 業態によっては致命的な制約になるため |
| 周辺情報 | 近隣で出店・退去・開発の予定はありますか | 商圏が変わる要因を先に知るため |
| 搬入・ゴミ | 搬入経路とゴミ置き場の条件はどうなっていますか | 日々の運営コストに関わるため |
用途地域や許認可に関わる事項は、不動産会社の説明とあわせて、行政や専門家にも確認しておくと確実です。
FC本部へ聞く質問
FC加盟の場合は、候補地と収益モデルの前提を本部に確認します。対立のためではなく、前提を理解するための質問です。
| ポイント | 質問例 | なぜ聞くか |
|---|---|---|
| 候補地の選定 | この候補地を選ばれた理由を教えてください | 本部の立地評価の観点を知るため |
| 商圏設定 | 商圏資料の範囲は、どんな考え方で設定していますか | 数字の前提を理解するため |
| 類似店 | モデル収益の参照店は、どんな基準で選んでいますか | 候補地との条件差を見るため |
| 実績との差 | 参照店と候補地で、条件が違う点はどこですか | 数字をそのまま当てはめない判断のため |
| 費用 | 初期投資に含まれない費用には何がありますか | 想定外の追加費用を減らすため |
| 近隣出店 | 近隣への追加出店やテリトリーの方針を教えてください | 商圏の前提が変わる可能性を知るため |
| 開業後支援 | 開業後の支援は、何が・どの頻度でありますか | 開業後の運営体制を設計するため |
| 下振れ時 | 想定を下回った場合、どんな支援・対応がありますか | 厳しい局面での関係を事前に知るため |
FC候補地の確認の進め方は、フランチャイズ本部から候補地を提示されたら確認すべきことに詳しくまとめています。公的な整理としては、中小機構のJ-Net21「FC加盟を考える」も参考になります。
自分自身に確認する質問
外部への質問と同じくらい重要なのが、自分への質問です。回答を集めても、最後に判断するのは自分自身だからです。
- この業態の対象顧客を、自分の言葉で説明できるか
- 想定が下振れした場合でも、資金繰りは耐えられるか
- 人の採用・シフト・現場管理を、この立地で回せるか
- 家族・共同経営者・金融機関に、この候補地を選ぶ理由を説明できるか
- この候補地にどこか違和感があるなら、それは何に対する違和感か
最後の問いは特に大切です。違和感は、確認すべきポイントがまだ言葉になっていないサインであることが多いものです。
専門家・行政へ確認すること
次の事項は、不動産会社や本部の説明だけで確定させず、必要に応じて専門家・行政に確認することをおすすめします。
- 契約書の内容(賃貸借契約・FC契約)
- 用途地域・建築に関わる制限
- 営業に必要な許認可(保健所・消防など)
- 税務・融資・資金計画
このページを含め、立地や商圏の整理は「判断材料の準備」であって、契約・法務・税務の判断そのものではありません。専門判断が必要な事項を切り分けて専門家に渡すことも、出店準備の大事な一部です。
質問を候補地ごとの具体的な形に落とす
一般的な質問リストは、そのままだと「一般的な答え」しか返ってきません。効くのは、候補地の条件に合わせて具体化された質問です。
たとえば「駐車場は十分ですか?」ではなく、「平日の夕方がピークになる業態ですが、その時間帯に入出庫が詰まる可能性はありますか?」と聞く。「競合は多いですか?」ではなく、「隣駅の◯◯業態と商圏が重なると見ていますが、本部の商圏設定ではどう扱っていますか?」と聞く。
具体化のためには、候補地の商圏・導線・競合・物件条件を先に整理しておく必要があります。Location Intelligence Workspaceの候補地診断では、この整理とあわせて、本部・不動産会社への質問リストと現地確認チェックリストを候補地ごとに作成しています。
候補地ごとの質問リストづくりから依頼したい方へ。候補地の整理とあわせて、聞くべきことを具体化します。
立地診断のサービス概要を見る質問リストだけで判断しない
質問への回答は判断材料であって、最終判断ではありません。
回答の内容、現地での確認、資金計画、契約条件、専門家の確認。これらを重ねたうえで、契約や出店に進むか、保留するか、追加で確認するかを決めることになります。回答に強い懸念が残る場合や、確認できていないことが多い場合は、「保留」や「追加確認」も立派な判断です。期限に追われて確認を省くことだけは避けたいところです。